濱田雅子さんの服飾講座「服飾からみた生活文化」シリーズは、Office Com Juntoという児嶋の主宰するNPOのプログラムのひとつであるGlobal Sessionの中で2013年10月から開催されてきた。これは、主に、英語で行われるセッションであり、ゲストスピーカーとコーディネーターが、あらかじめ送付されたゲストの英文エッセーを基に、対話を始める。参加のルールは2つあり、ひとつは「黙って聞いていてもいい」であり、もうひとつは、「どこから対話に介入してもいい」である。このルールを保持したまま、濱田さんの講座は、日本語で行われて来た。このGlobal Session(GS)は、当時の運営母体であった(財)亀岡市交流活動センター(亀岡市外郭団体)の市民向けの英会話講座のひとつとして1999年に開始され、児嶋の退職後はこのGSの運営を委託され、今日に至っている。2017年8月のGSで、300回目を数えている(概ね月に1回開催)。この間、ほとんどの会でお知らせと同時にレポートを作成し、参加者の思いを伝えて来た。
本講座は濱田の研究内容を参加者の皆さんに、パワーポイント(写真資料や解説)や配布資料を用いて、ヴィジュアルにわかりやすく語らせていただき、ディスカッションをするという形式で行ってきた。時折、濱田が研究に用いた英語の資料を参加者の皆さんと講読する機会を設けさせていただいた。ポルトガルの民族衣裳に始まり、アメリカの服飾史を中心に、かなり専門的なテーマを扱っている。濱田のアメリカ服飾史研究の特色は、上流階級から下層階級にわたる服飾社会史研究を成していることにある。このような立場で、先住アメリカ人やアフリカン・アメリカンや中産・下層階級の衣服研究に 1981 年以来携わってきたのだが、本講座でも参加者の皆さんから、このような方法論に注目していただいてきた。参加者数は数名から 20 名の範囲に及び、服飾研究者に限らず、多方面にわたっている。
アメリカの服飾に限らず、多民族の服飾文化(ヨーロッパ諸国、アジア諸国の服飾文化)に関する研究発表や講演、書評会、西洋服飾史・民族衣装セミナー、ワークショップ(デザイン画、手芸、コスチューム・ジュエリー制作など)を行って参りましたが、2020年より、新型コロナウィルス感染症の蔓延により、上記の様な集いが持てなくなっています。そのため、会報発行、および、オンライン講座による持続可能な活動を行っています。下記より、お気軽にお問合せ下さい。ただし、研究会の趣旨に沿わないお問合せには、対応できかねます。