アメリカ服飾社会史研究会
ジェームズタウンのプランテーション 植民者の小屋
撮影 濱田雅子
1770年代のウィリアムズバーグで使われていた織機の複製品
18世紀の布を再現しているMax Hamrick氏 撮影 濱田雅子
期日:2025年3月 10:30-12:30
場所:ガレリア亀岡3階 会議室
ゲスト:濱田雅子氏 (神戸からオンラインで配信)
アメリカ服飾社会史研究者
テーマ:1940年代のアメリカ服飾史―第二次世界大戦が英・米のファッションに及ぼした影響―
コーディネーター:亀田 博氏(ツアー・コンダクター)
主催 Office Com Junto 共催 アメリカ服飾社会史研究会 亀岡国際交流協会
【オンライン参加者の申し込み先】どなたでも、オンラインでのご参加希望者の方は、研究会事務局にメールで申し込んで下さい。
アメリカ服飾社会史研究会事務局 サイトマップの「問い合わせ」からメール送信してください。ご所属とご参加希望動機をお書き下さるようお願い申し上げます。
申し込み先 hamadakobe7@gmail.com
ZoomのURLのアドレスと資料をお送りさせていただきます。 会長 濱田雅子
【現地参加者の申し込み先】
参加者:どなたでも 前日まで
参加費:600円
申し込み先:Office Com Junto 主宰 児嶋きよみ
E-mail : kiyomi-kojima@gaia.econet.ne.jp Tel:0771-23-6579
講座の説明文から
本講座はアメリカ服飾史講座シリーズとしてアップすることを計画している。本講座開設に当って、この企画の意図について述べさせていただく。 我が国では、アメリカ服飾史の研究者は、たいへん稀少である。また、数多く見られる西洋服飾史の研究においては、上流階級の服飾に関する研究が主流を占めている。それに対して、濱田はアメリカの上流階級のみならず、中産・下層階級の服飾に関する歴史的背景を踏まえた服飾史研究をアメリカ服飾社会史として、38年間に渡って構築してきた。濱田の研究対象には、ネイティブ・アメリカン、およびアフリカン・アメリカンというマイノリティの衣服、およびテキスタイルも含まれている。本講座が、今後の服飾史研究に役立てば幸いである。 第1回目の企画のタイトルは「ユートピア思想とパンツをはいた女性たち(その1)―19世紀アメリカのドレス・リフォーム運動―」である。
You Tubeアメリカ服飾史講座シリーズ第2回 概観 アメリカ服飾史講座シリーズとは、どのような講座なのでしょうか? 我が国では、アメリカ服飾史の研究者は、たいへん稀少です。また、数多く見られる西洋服飾史の研究においては、上流階級の服飾に関する研究が主流を占めています。それに対して、濱田はアメリカの上流階級のみならず、中産・下層階級の服飾に関する歴史的背景を踏まえた服飾史研究をアメリカ服飾社会史として、38年間に渡って構築してきました。濱田の研究対象には、ネイティブ・アメリカン、およびアフリカン・アメリカンというマイノリティの衣服、およびテキスタイルも含まれています。本講座が、今後の服飾史研究に役立てば幸いです。 本講座の視聴率上位5位のURL 第1回 イントロダクション 本講座の目的とテーマ https://www.youtube.com/watch?v=YAMWnCU7udk 第3回 ユートピア思想とパンツを穿いた女性たち(その2) ―オナイダ共同体の成立と衣服改革― https://youtu.be/luzabId5am0 第17回 アメリカへの移住者のフランス・ファッションへの憧憬 https://www.youtube.com/watch?v=AB5U4x24lII 第6回 ユートピア思想とパンツを穿いた女性たち(その5) ―『シビュラ』誌の誕生と役割― https://youtu.be/n6tSJBpBxN8 第2回 ユートピア思想とパンツを穿いた女性たち(その1) https://youtu.be/Gj8xf0KiGvE #アメリカ服飾史講座シリーズ #19世紀アメリカのドレスリフォーム運動 #パンツをはいた女性たち #アメリカンルックの誕生 #アメリカ史に見る職業着 #濱田雅子のアメリカ服飾史 #アメリカ植民地時代の服飾 #アメリカ独立革命期を舞台として 今日では、女性がズボンを穿くのは、国際社会における当たり前の文化となっています。だが、このような文化が服飾の歴史において定着したのは、さほど昔のことではありません。 さて、それでは女性はいつから、どこでズボンを穿きはじめたのでしょうか。19世紀前半のアメリカに起きた「ブルーマー運動」と呼ばれるドレス・リフォーム運動は、よく知られています。ブルーマーは、我が国では、一時、女子生徒の体操服として普及してきました。19世紀アメリカにおける女性のドレス・リフォーム研究を行っているアメリカの服飾研究者ゲイル・ヴェロニカ・フィッシャー女史は、既存のブルーマーリズム研究を再検討し、19世紀アメリカにおける女性のドレス・リフォームを一期1824-1851年、二期1851-1879年、三期1879-1920年に区分して、新しい研究を行っています。 我が国ではブルーマー運動に関する研究は行われていますが、その他の19世紀アメリカにおけるドレス・リフォーム運動に関する研究は皆無です。濱田雅子著『パリ・モード」からアメリカン・ルックへ』では、資料的価値の高い第一次資料の文書の紹介・分析を通じて、ドレス・リフォーム運動の本質に多少とも触れることができたところに、筆者のオリジナリティがあるものと確信します。 本講座では「女性はいつから、どこでズボンを穿きはじめたのか」というクエッションに対するアンサーをわかりやすく、ビジュアルにお話させていただきたいと思います。まずは、クリックなさって、動画をご覧ください。昔の人の合理的な衣服観に魅了されますよ。
概要
アメリカ服飾史講座シリーズの第3回目であり、濱田雅子の「服飾から見た生活文化」シリーズ第15のその3の講座を開催させていただく。第1回目のイントロダクションを未視聴の視聴者の皆様には、ぜひ、本企画の目的と内容をご理解いただくために、まず、こちらからご視聴されることをお薦めさせていただく。 本講座は、19世紀中葉のアメリカのオナイダ共同体の成立と衣服改革について、他では、決して聴くことのできない学術的な興味深い内容で語らせていただく。従来から問題にされ、未解明のブルーマーのルーツについても明らかにしている。服飾史、ジェンダーのいずれの視点から見ても、大変、奥深い探求を行なったものと確信する。。40分弱の動画である。どうぞ、最後までご視聴下さい。
アメリカ服飾史講座 第4回の概要
メアリー・E・ウォーカー博士(Dr. Mary Edwards Walker, 1832~1919)は、おそらく19世紀アメリカの最も有名なドレス・リフォーム論者であろう。ドレス・リフォームの彼女の試練は、すべてのドレス・リフォーム論者の経験を表していると言われている。そこで、本講座ではメアリー・E・ウォーカーの歴史的背景と生い立ち、ドレス・リフォーム思想、南北戦争での活躍、南北戦争後のドレス・リフォーム運動―異性装のメアリー・E・ウォーカーの順に語りながら、彼女がドレス・リフォーム論者として、周りからどのような評価を受けたのか、また、ドレス・リフォーム運動において、どのような役割を果たしたのか、伝記やアメリカの研究者の論文や彼女の著作に基づいて明らかにしたいと思う。
ウォーカーは1870 年代に、彼女の収入を補完し、女性と服装に関する彼女の声を公にするために、二冊の本を出版した。Hit: Essay’s on Women’s Right(1871年)の第二章には、メアリー・E・ウォーカー博士の医師としてのドレス・リフォーム思想が表明されている。すなわち、ファッショナブルな拘束的な衣装が女性の身体(頭のてっぺんから足の裏まで)に及ぼす影響という視点から、医学的な理論的根拠が明示されている。本講座のハイライトは、本書の内容の紹介である。日本では濱田の著作以外に、本書の内容を紹介したものはない。その意味で貴重な学術的な講座である。
本講座では、ジェイムズ・C・ジャクソン(James Caleb Jackson)のドレス・リフォーム思想と活動について、以下に示す彼の著作の一部の翻訳紹介と考察を中心に扱っています。
1.American Womanhood: Its peculiarities and necessities(1870)Maple Beach, N.Y. (public domain )
2.Jackson Sanatorium (1898). Year Book of the Jackson Sanatorium, Dansville, N.Y. (public domain ed.).
これらの画期的な著作は、19世紀アメリカの非生理的なファッションが、女性の健康に及ぼした影響をリアルに描き、その治療がどのように行われていたのかについて、ひじょうに具体的に解説されています。19世紀アメリカの服装問題のみならず、わが国の今日の超高齢社会における健康増進施策、すなわち、医療やリハビリの在り方にも、大いに資する内容の古典です。
これらの著作は、今日、改めて注目され、復刻版が出版されるか、あるいはデジタル版がネット上で配信されています。著作権は、いずれもpublic domainです。
これらの歴史的資料(第一次資料)には、とりわけヨーロッパからアメリカに導入されたファッショナブルで拘束的な衣装が、女性の健康に及ぼす生理的影響という視点から、また、医者の視点から、赤裸々に分析されています。
本講演では、ドレス・リフォームの問題を健康増進、医療の視点のみならず、ジェンダーの視点、社会運動の視点からも考察しました。
本講座の参考文献である濱田雅子著『19世紀アメリカのドレス・リフォーム思想ー医学とジェンダーの視点から―』は、拙著『パリ・モードからアメリカン・ルックへ―アメリカ服飾社会史近現代篇―』(株式会社インプレス R&D POD出版、2019年)〔ネクパブ2022アワード審査員特別賞授賞]の第一部の内容を発展的に考察したものです。本講座にご興味をお持ちの視聴者の皆様には、ぜひ手に取って、ご一読いただければ幸いに存じます。
本講座では、19世紀アメリカのドレス・リフォーム運動の指導者であったリディア・セイヤー・ハズブルック(Lydia Sayer Hasbrouck)が編集・発行した新聞『シビュラ』(Sibyl)の誕生と役割について考察します。リディア・セイヤー・ハズブルック博士は、ドレスリフォーム運動の指導者であり、新聞記者でした。リディア・セイヤー・ハズブルック博士や彼女が編集した新聞『シビュラ(σίβυλλα 、ギリシャ語)』誌は、わが国ではほとんど知られていません。本紙の記事を繙いてゆくと、リフォーム・ドレスを身につけた女性たちの声が、まるで今日のSNSのように、身近に聞こえて来ます。
19世紀アメリカのドレス・リフォーム運動は、今日の健康改革運動のルーツとして、私たちに多くのことを語ってくれますし、今後の日本社会のあり方についても、貴重な示唆を与えてくれます。
本紙の原本が公開されたのは、ごく最近です。そこで、本講座では1.編集長 リディア・セイアー・ハズブルックについて、2.シビュラ発刊の背景、3.シビュラの体裁と構成、4.シビュラの読者層、5.シビュラ第1巻第1号の反響 新聞記事の紹介、6.テーマ別の投稿記事(・リフォーム・ドレスを着た女性の体験談、・グレン・ヘイヴン水治療法 ジャクソン博士セレモニーの報告、・女性の地位向上をめぐって)、7.まとめ シビュラ誌が果たした役割という構成でお話させていただきます。
講座ご視聴後、ご興味のおありの方は、濱田雅子著『十九世紀アメリカのドレス・リフォーム運動―医学とジェンダーの視点から―』(株式会社PUBFUN ネクパブ・オーサーズプレス、2023年3月14日発行)をお読みいただければ幸いに存じます。
概要
1855年、ジェームズ・C・ジャクソン博士は、全国リフォーム・ドレス協会(National Dress Reform Association, NDRA)の創設につながったドレス・リフォーム会議を主催し、全国ドレス・リフォーム協会(NDRA)を設立しました。ジェームズ・C・ジャクソンは、19世紀後半の代表的な水治療師で、ドレス・リフォームを提唱したと自称した人物であり、アメリカのコスチュームを独自のものとして採用した全国ドレス・リフォーム協会の創設を奨励しました。
医者の立場から、生理的ドレスが女性の身体に及ぼす悪影響について、著作やNDRAや『シビュラ』誌において、公然と赤裸々に語りました。
男性でありながら、生理的な衣装がどれほど女性を苦しめてきたか、どれほど彼女たちの健康をむしばみ、生まれてくる子どもに悪害を及ぼしているかについて書き、語っています。女性の権利、社会における女性労働の必要性と尊さについて、実に単刀直入に書き、語っています。ジャクソン博士は、これらの深刻な社会問題に、いかに厳然と立ち向かっていったのか、現代人の胸に強烈に響いてくるものがあります。
ドレス・リフォーム運動の歴史やジェイムズ・ジャクソン博士のドレス・リフォーム思想と活動、ドレス・リフォーム運動の機関誌『シビュラ』誌の誕生と役割については、本講座のシリーズ1-6をご清聴いただきたく存じます。
本講座では1.全国ドレス・リフォーム協会の設立、2.全国ドレス・リフォーム協会の大会の記録、3.大会への参加者数と属性、4.大会の事前準備、開催、報告、5.まとめ、の順に語らせていただきます。
さらに理解を深めたい方は、拙著『パリ・モードからアメリカン・ルックへ』、および『十九世紀アメリカのドレス・リフォーム思想―医学とジェンダーの視点から―』をご一読下さい。
アメリカ服飾史講座シリーズ第9回、概要
20世紀初頭にはドレスリフォーム運動という言葉は使われなくなり、「アメリカ人女性のためのアメリカン・ファッション」への取り組みが推進されてゆく。そこで、本講座ではニューヨーク都市における商業およびファッションの発展を背景として、ドロシー・シェーバー (Dorothy Shaver, 1893~1959)の活躍ぶりを取り上げ、「パリ・モード」から「アメリカン・ルック」への転換をもたらした牽引力について、明確な答えを打ち出す。彼女は、我が国では馴染みがないが、実は1826年に設立された老舗の百貨店であるロード・アンド・テーラー(Lord & Taylor)の副社長を1931年から1945年まで、社長を1945年から1959年まで務めた女性である。特に、1930年からアメリカ人女性デザイナーの認知の運動を推進し、「パリ・モード」から「アメリカン・ルック」への転換をはかるのに貢献した。
ドロシー・シェーバーに関する研究は、我が国では皆無である。アメリカにおける先行研究も大変、稀少である。筆者がドロシー・シェーバーに着眼した動機は、アメリカ服飾学会の学会誌“Dress”に掲載されたアメリカの服飾研究者ティファニー・ウェーバー・ハンシェット(Tiffany Webber-Hanchett)の論文(1)との出逢いである。ティファニー・ウェーバー・ハンシェットは、シェーバーの活躍について、この論文で、次のように述べている。
「マーチャンダイジング・ワールドのファースト・レディのドロシー・シェーバーは、ロード・エンド・テーラーの在職期間中(1924~1959)に小売業の新しい基準を設定した。他の業界リーダーが同じことをする前に、特に、アメリカのデザイナーの店舗を宣伝していた。宣伝と販売促進、新しいマーチャンダイジング手法とアメリカ人デザイナーの認知に関するロード・エンド・テーラーにおける彼女の革新は、『シェーバー・タッチ』“The Shaver Touch”と総称されていた。シェーバーは、副社長(1931~1945)として、1930年代初めにアメリカのデザイナー運動を開始し、1940年代半ばに“The American Look”広告キャンペーンを開始した。彼女は、アメリカン・ファッションを促進するために、店舗のマーチャンダイジングとマーケティングのポリシーを拡張した。シェーバーは国内の才能に敬意を表する必要があることを知り、そうすることで、アメリカのファッション・デザイナーを業界の不毛から救うための道を切り開いた。」
拙著『アメリカ服飾社会史』第8章では、ごく簡単にドロシー・シェーバーに触れるにとどまったが、その後、サンドラ・リー・ブラウン(Sandra Lee Braun)の大変、実証的で造詣深い学位論文を入手し、熟読する機会を得た。そこで、本講座において、拙著『パリ・モードからアメリカン・モードへ―アメリカ服飾社会史 近現代篇―』(POD出版、2019)に基づいて、ドロシー・シェーバーのマーチャンダイザーとしての活躍ぶりを、一般読者の皆様にもわかりやすく、興味深く紹介させていただく次第である。
概要
キーワード:パリ・モードからアメリカン・ルックへ アメリカン・ルック クレア・マッカ―デルの生涯と活動 マドレーヌ・ヴィオネ ココ・シャネル
本講座のシリーズ8では、ドロシー・シェーバーの「シェバ-・タッチ」の紹介・考察を通じて、彼女がパリ・モードから「アメリカン・ルック」への転換をはかった重要な歴史的人物であったことを19 世紀から1950 年代のニュ ーヨーク・ファッションに焦点を当てて、歴史的背景を踏まえて考察した。
1930年代から40年第当時、アメリカのデザイナ-は、挑戦に立ち向かうだけでなく、アメリカの女性が望む最高のデザインを作り、彼らがパリと同等であることを国民に説得しなければならなかった。
1930 年代から 1940 年代まで、ロ-ド・アンド・テ-ラ-のアメリカン・デザイナ-・キャンペ-ンでは、アドリアン、クレア・ポッタ-、ジョイス(Joyce)、ネッティ-・ロ-ゼンスタイン、リリ-・ダ ッチェなど、約60人のデザイナ-を一覧表に掲載した。
「アメリカン・ルック」は、アメリカ人女性と典型的なロ-ド・アンド・テイラ-の顧客のライフスタイルを取り入れて具現化した、特定のファッションスタイルを描くために、シェ-バ-によって一般化された用語であった。シェ-バ-は、アメリカの女性のためにアメリカのデザイナ-が特別に作ったスタイルがあると信じていた。
初期のシェ-バ-のプロテ-ゼであったクレア・マッカ-デルは、典型的なアメリカのデザイナ-として知られるようになった。クレア・マッカ-デルは第1代目の真の意味でのアメリカ人デザイナ-であり、「アメリカン・ルック」の創始者と呼ばれた。アメリカ人の女性はいつも彼女の新しさとエネルギ-を賞賛していた。
そこで、本講座では、まず、ヨーロッパの1930年代の歴史的背景を踏まえて、代表的なデザイナーの作品を紹介させていただいた。そのうえで、アメリカン・ルックの牽引車であったクレア・マッカ―デルの生涯と活動に焦点を当てて、アメリカン・ルックの誕生について考察した。最後にまとめにおいて、クレア・マッカ―デルの活動に対する評価を行わせていただいた。
You Tubeアメリカ服飾講座シリーズ第10回 概要
アメリカ服飾史の研究書は欧米にも僅少であり、まして、日本では濱田雅子著『アメリカ植民地時代の服飾』(せせらぎ出版、1996年)の出版に至るまでは皆無に等しかったといえるでしょう。本書は『改訂版 アメリカ植民地時代の服飾』(せせらぎ出版、2024年3月29日)がPOD出版され、アマゾンと楽天ブックスでペーパーバックと電子書籍が販売されています。本書は濱田の修士論文です。下記は、私の修士論文、および博士論文の指導教員の丹野郁先生が本書に寄せて下さった序文です。
「16世紀のルネサンス期を契機として、服飾文化は飛躍的に発展する。18世紀のロココ様式までの三世紀はヨーロッパでは貴族様式が幅を利かせ、最高の技術をもって美の極致として賞賛される。
ところで、私共がヨーロッパの服飾の発展過程に、目を奪われている間に、アメリカが歴史に登場する。彼らの植民地時代の服飾は、当然、祖国ヨーロッパの貴族的な装いを採り入れたであろうが、果たしてどうであったのか。また、その後の発展はどうか、など、興味をひくところである。アメリカは、急速に近代化の道を進みつつ、大量生産、既製服、ファッションの面でも、世界をリードするまでのパワーをもつに至った。植民地時代の生活の様相こそ、本書が明確に答えてくれるであろう。」
本講座では、アメリカ植民地時代の衣生活の様相をヴァージニア植民地を中心に、お話しさせていただく所存です。
本講座の全体構成は以下のとおりです。
n 全体構成
n Ⅰ.参考文献
n Ⅱ.ヨーロッパの背景と服飾
―盛期ルネッサンスと服飾ー
n Ⅲ.ヴァージニアの植民地の建設と服飾
1. アメリカの十三植民地
2.十三植民地の三つのセクションへの分化
3.ヴァージニア植民地の建設と服飾
(1) ヴァージニア植民地の建設
(2) ヴァージニア植民地の服飾
① 男子服(1607―1620)
② 女子服(1609―1620)
③ 王党員の男子服
(1620―1675)
④ 王党員の女子服
(1620―1675)
Ⅳ まとめ
本講座はアメリカ植民地時代の服飾を3回に分けて開催いたします。
第10回 ヴァージニア植民地の建設と服飾
第11回 ニューイングランド植民地の建設と服飾
第12回 ニューネザーランド植民地の建設と服飾
You Tubeアメリカ服飾講座シリーズ第11回 概要
アメリカ服飾史の研究書は欧米にも僅少であり、まして、日本では濱田雅子著『アメリカ植民地時代の服飾』(せせらぎ出版、1996年)の出版に至るまでは皆無に等しかったといえるでしょう。本書は『改訂版 アメリカ植民地時代の服飾』(せせらぎ出版、2024年3月29日)がPOD出版され、アマゾンと楽天ブックスでペーパーバックと電子書籍が販売されています。本書は濱田の修士論文です。下記は、私の修士論文、および博士論文の指導教員の丹野郁先生が本書に寄せて下さった序文です。
「16世紀のルネサンス期を契機として、服飾文化は飛躍的に発展する。18世紀のロココ様式までの三世紀はヨーロッパでは貴族様式が幅を利かせ、最高の技術をもって美の極致として賞賛される。
ところで、私共がヨーロッパの服飾の発展過程に、目を奪われている間に、アメリカが歴史に登場する。彼らの植民地時代の服飾は、当然、祖国ヨーロッパの貴族的な装いを採り入れたであろうが、果たしてどうであったのか。また、その後の発展はどうか、など、興味をひくところである。アメリカは、急速に近代化の道を進みつつ、大量生産、既製服、ファッションの面でも、世界をリードするまでのパワーをもつに至った。植民地時代の生活の様相こそ、本書が明確に答えてくれるであろう。」
本講座では、アメリカ植民地時代の衣生活の様相をニューイングランド植民地を中心に、お話しさせていただく所存です。
本講座の全体構成は以下のとおりです。
n 全体構成
n Ⅰ.参考文献
n Ⅱ.ヨーロッパの背景と服飾
―盛期ルネッサンスと服飾ー
n Ⅲ.ニューイングランド植民地の建設と服飾
1. アメリカの十三植民地
2.十三植民地の三つのセクションへの分化
3.ニューイングランド植民地の建設と服飾
(1) ピルグリムの服装
① 男子服(1620-1630)
② 女子服(1620-1630)
(2) ニューイングランド植民地の服飾
① 男子服(1630-1675)
② 女子服(1630-1675)
n Ⅳ まとめ
キーワード
#ピューリタン
#ピューリタン衣裳
#プロテスタント
#メイフラワー誓約
#奢侈禁止令
#ウィリアム・ブラッドフォードの洗礼用ローブ
You Tubeアメリカ服飾講座シリーズ第12回 概要
アメリカ服飾史の研究書は欧米にも僅少であり、まして、日本では濱田雅子著『アメリカ植民地時代の服飾』(せせらぎ出版、1996年)の出版に至るまでは皆無に等しかったといえるでしょう。本書は『改訂版 アメリカ植民地時代の服飾』(せせらぎ出版、2024年3月29日)がPOD出版され、アマゾンと楽天ブックスでペーパーバックと電子書籍が販売されています。本書は濱田の修士論文です。下記は、私の修士論文、および博士論文の指導教員の丹野郁先生が本書に寄せて下さった序文です。
「16世紀のルネサンス期を契機として、服飾文化は飛躍的に発展する。18世紀のロココ様式までの三世紀はヨーロッパでは貴族様式が幅を利かせ、最高の技術をもって美の極致として賞賛される。
ところで、私共がヨーロッパの服飾の発展過程に、目を奪われている間に、アメリカが歴史に登場する。彼らの植民地時代の服飾は、当然、祖国ヨーロッパの貴族的な装いを採り入れたであろうが、果たしてどうであったのか。また、その後の発展はどうか、など、興味をひくところである。アメリカは、急速に近代化の道を進みつつ、大量生産、既製服、ファッションの面でも、世界をリードするまでのパワーをもつに至った。植民地時代の生活の様相こそ、本書が明確に答えてくれるであろう。」
本講座では、アメリカ植民地時代の衣生活の様相をニュー・ネザーランド植民地を中心に、お話しさせていただく所存です。
関連 アメリカ服飾史講座シリーズ
第1回 https://youtu.be/YAMWnCU7udk
第2回 https://youtu.be/Gj8xf0KiGvE
第3回 https://youtu.be/luzabId5am0
第4回 https://youtu.be/AMpQQJI52SE
第5回 https://youtu.be/QcZZjx5yNNo
第6回 https://youtu.be/n6tSJBpBxN8
第7回 https://youtu.be/6gc8p9QAsGs
第8回 https://youtu.be/EY3-oJFNiIs
第9回 https://youtu.be/gKtus9hVsKI
第10回 https://youtu.be/DH1sI3OlaXU
第11回 https://youtu.be/xswLEriS67k
本講座の全体構成は以下のとおりです。
n 全体構成
n Ⅰ.参考文献(第10回参照)
n Ⅱ.ヨーロッパの背景と服飾(第10回参照)
―盛期ルネッサンスと服飾ー
n Ⅲ.ニュー・ネザーランド植民地の建設と服飾
1. アメリカの十三植民地
2.十三植民地の三つのセクションへの分化
3.ニュー・ネザーランド植民地の建設と服飾
4.ニュー・ネザーランド植民地の服飾
(1) 男子服(1623-1675)
(2) 水夫の衣服
(3) 女子服(1623--1675)
Ⅳ まとめ
キーワード
#ニューヨークの歴史
#パトルーンシップ
#ワロン人
#水夫の衣服
#オランダの植民地
YouTubeアメリカ服飾史講座シリーズ第13回
概要
テーマ 服飾を通してみたアメリカ人意識の形成
概要
アメリカ服飾史講座シリーズ第1—12回のアカウント
第1回 https://youtu.be/YAMWnCU7udk
第2回 https://youtu.be/Gj8xf0KiGvE
第3回 https://youtu.be/luzabId5am0
第4回 https://youtu.be/AMpQQJI52SE
第5回 https://youtu.be/QcZZjx5yNNo
第6回 https://youtu.be/n6tSJBpBxN8
第7回 https://youtu.be/6gc8p9QAsGs
第8回 https://youtu.be/EY3-oJFNiIs
第9回 https://youtu.be/gKtus9hVsKI
第10回 https://youtu.be/DH1sI3OlaXU
第11回 https://youtu.be/xswLEriS67k
第12回 https://youtu.be/wAo3pJbwDww
北アメリカ植民地の社会は、150 年にわたってヨーロッパから継承してきた 諸制度や生活慣習を変容させ、新しい社会の基礎を作り出した。衣文化につい てもヨーロッパの文化がそのまま移入された初期の状態から、北アメリカの気 候・風土に適応しながら、また北部・中部・南部というそれぞれの地域の異な る社会・経済構造に見合った形で変容した。 北アメリカ東部のイギリス植民地は7年戦争後の課税問題をめぐって本国と 対立し、1773 年のボストン茶会事件を契機に対立は一層深まり、レキシント ン・コンコードの戦いで独立戦争の火ぶたが切って落とされた。この戦争は 1789 年のアメリカ合衆国憲法にもとづく政府の成立によって終結をみる。そ して独立前後から、政治・経済面の動向と相まって、衣生活の面でもアメリカ らしさの萌芽が見えはじめる。本章では、この独立革命期にどのようにしてア メリカらしい服飾が誕生してきたのかを見てみようと思う。
1776 年 7 月4日、アメリカの植民地(13 州)は大英帝国から独立を宣言した。 スミソニアン協会の国立アメリカ史博物館では、1985 年 11 月より独立 200 年 を記念して「独立の後・アメリカの日常生活 1750~1800」と題する企画展が行 われた。1987 年夏、筆者は同館を訪れ、直接この展示を観る機会を得た。同 館発行の小冊子(4)によると、「この展示は独立直後 20 年間の普通のアメリカ人 の日常生活にみられた多様性と葛藤とを検証するものである」という。 展示会場には「コスチューム・スタディー・ギャラリー」という服飾専門のコーナーが設けられ、1775 年頃の晩餐会で着用されたと思われる何種類かの 上流階級の男女の衣装が展示されていた。ここでは、このスミソニアン協会の 収蔵品と研究資料に依拠しながら、上述の男女の衣装について、その特色をみ てみたいと思う。コーナーが設けられ、1775 年頃の晩餐会で着用されたと思われる何種類かの 上流階級の男女の衣装が展示されていた。ここでは、このスミソニアン協会の 収蔵品と研究資料に依拠しながら、上述の男女の衣装について、その特色をみてみたいと思う。
You Tubeアメリカ服飾史講座シリーズ第14 回 アメリカ史に見る職業着 概要
アメリカ服飾史講座シリーズ第1—13回のアカウント
第1回 https://youtu.be/YAMWnCU7udk
第2回 https://youtu.be/Gj8xf0KiGvE
第3回 https://youtu.be/luzabId5am0
第4回 https://youtu.be/AMpQQJI52SE
第5回 https://youtu.be/QcZZjx5yNNo
第6回 https://youtu.be/n6tSJBpBxN8
第7回 https://youtu.be/6gc8p9QAsGs
第8回 https://youtu.be/EY3-oJFNiIs
第9回 https://youtu.be/gKtus9hVsKI
第10回 https://youtu.be/DH1sI3OlaXU
第11回 https://youtu.be/xswLEriS67k
第12回 https://youtu.be/wAo3pJbwDww
第13回 https://youtu.be/OfqLCUQ0TvU
本報告ではアメリカの植民地時代から独立革命期の100年間にわたる職業着について語らせていただく。資料はP.F.コープランド著、濱田雅子訳『アメリカ史にみる職業着―植民地時代~独立革命期―』(せせらぎ出版、1998年)Peter F. Copeland, Working Dress in Colonial and Revolutionary America(Greenwood Press, Westport, Conn. 1977.)である。本翻訳書が出版されたのは、阪神淡路大震災から2年後である。このたび、本翻訳書の出版から18年後に、株式会社悠書館から普及版として、再版された。
著者のP・F・コープランド(1927-2007)の専門研究分野は、初版のあとがきでも述べたが、アメリカ独立革命やカリブ海の海底研究や18~20世紀の軍服や市民服に関する分野である。元はアメリカ合衆国ワシントンD.C.のスミソニアン協会の歴史関係の主任イラストレーターをつとめておられた。同協会退職後、アメリカ史に関するフリーのイラストレーター、ライター、コンサルタントとして活躍されて、論文や専門書の他、子ども向けの絵本41 冊を精力的に出版してこられたが、2007年12月8日、享年81歳で肺癌のため亡くなった。
さて、再版に至った本書の面白さは、何であろうか。
原書のタイトルから明らかなように、本書はアメリカの植民地時代から独立革命期の100年間にわたる職業着を扱っている。だが、実際には18世紀アメリカの労働者階級が身に纏っていた衣服の遺品は、ほとんど皆無に等しく、その上、植民地アメリカの一般大衆は、その時代に描写されないまま、歴史から消えてしまったのである。そのため、著作にまとめるには大変困難な資料状況にあった。にもかかわらず、本書には、1710年から1810年までの100年間にわたって、欧米で労働に携わっていた人々が着用していたと推察される職業着が、歴史的背景や彼らの生活状態とともにビジュアルに描かれている。パラパラと本書をめくっていただくと、様々なスタイルで労働に携わる思い思いの表情の人々が登場する。眺めているだけでも想像力をかき立てられて、読者は思わず、本書に描かれた世界にいざなわれるであろう。
You Tubeアメリカ服飾史講座シリーズ第15 回 アメリカ史に見る職業着 概要
アメリカ服飾史講座シリーズ第1—13回のアカウント
第1回 https://youtu.be/YAMWnCU7udk
第2回 https://youtu.be/Gj8xf0KiGvE
第3回 https://youtu.be/luzabId5am0
第4回 https://youtu.be/AMpQQJI52SE
第5回 https://youtu.be/QcZZjx5yNNo
第6回 https://youtu.be/n6tSJBpBxN8
第7回 https://youtu.be/6gc8p9QAsGs
第8回 https://youtu.be/EY3-oJFNiIs
第9回 https://youtu.be/gKtus9hVsKI
第10回 https://youtu.be/DH1sI3OlaXU
第11回 https://youtu.be/xswLEriS67k
第12回 https://youtu.be/wAo3pJbwDww
第13回 https://youtu.be/OfqLCUQ0TvU
第14回 https://youtu.be/ph3wU4a8JX4
著者のP・F・コープランド(1927-2007)の専門研究分野は、初版のあとがきでも述べたが、アメリカ独立革命やカリブ海の海底研究や18~20世紀の軍服や市民服に関する分野である。元はアメリカ合衆国ワシントンD.C.のスミソニアン協会の歴史関係の主任イラストレーターをつとめておられた。同協会退職後、アメリカ史に関するフリーのイラストレーター、ライター、コンサルタントとして活躍されて、論文や専門書の他、子ども向けの絵本41 冊を精力的に出版してこられたが、2007年12月8日、享年81歳で肺癌のため亡くなった。
さて、再版に至った本書の面白さは、何であろうか。
原書のタイトルから明らかなように、本書はアメリカの植民地時代から独立革命期の100年間にわたる職業着を扱っている。だが、実際には18世紀アメリカの労働者階級が身に纏っていた衣服の遺品は、ほとんど皆無に等しく、その上、植民地アメリカの一般大衆は、その時代に描写されないまま、歴史から消えてしまったのである。そのため、著作にまとめるには大変困難な資料状況にあった。にもかかわらず、本書には、1710年から1810年までの100年間にわたって、欧米で労働に携わっていた人々が着用していたと推察される職業着が、歴史的背景や彼らの生活状態とともにビジュアルに描かれている。パラパラと本書をめくっていただくと、様々なスタイルで労働に携わる思い思いの表情の人々が登場する。眺めているだけでも想像力をかき立てられて、読者は思わず、本書に描かれた世界にいざなわれるであろう。
第14回(前編)では、本書に基づいて、フロンティア開拓者 、輸送労働者、公僕、正規軍と民兵 、知的職業人、使用人、年季契約奉公人と奴隷、犯罪人、民族に固有の職業着を歴史的背景に照らして紹介させていただく。
You Tube アメリカ服飾史講座シリーズ 第16回 概要
アメリカ服飾史講座シリーズ第1—15回のアカウント
第1回 https://youtu.be/YAMWnCU7udk
第2回 https://youtu.be/Gj8xf0KiGvE
第3回 https://youtu.be/luzabId5am0
第4回 https://youtu.be/AMpQQJI52SE
第5回 https://youtu.be/QcZZjx5yNNo
第6回 https://youtu.be/n6tSJBpBxN8
第7回 https://youtu.be/6gc8p9QAsGs
第8回 https://youtu.be/EY3-oJFNiIs
第9回 https://youtu.be/gKtus9hVsKI
第10回 https://youtu.be/DH1sI3OlaXU
第11回 https://youtu.be/xswLEriS67k
第12回 https://youtu.be/wAo3pJbwDww
第13回 https://youtu.be/OfqLCUQ0TvU
第14回 https://youtu.be/ph3wU4a8JX4
第15回 https://youtu.be/XB-sBW4zko0
本報告は濱田の博士論文が元になっている『黒人奴隷の着装の研究―アメリカ独立革命期ヴァージニアにおける奴隷の被服の社会的研究―』(東京堂出版、2002)の一部の内容紹介である。濱田は本書のあとがきに、本書執筆の動機について、以下のように書いている。
本書執筆の動機は、アメリカ黒人作家アレックス・ヘイリー作、安岡章太郎、松田銑共訳の『ルーツ』(社会思想社、1977年)にある。ヘイリー氏がアフリカのジュフレの村をたずね、みずからの先祖を探しあて、7代200年を描いた小説『ルーツ』は、世界的なベストセラーとなり、ピューリッツァー賞を受賞した。この作品はテレビドラマ化され、話題作として脚光を浴びた。
作品中の「主人公のクンタ・キンテが着ていたものを考証できるのは、歴史学と服飾史学の研究に従事しながら、アパレル産業の現場で実際の服作りに携わって来たあなたしかいないですよ。」とアメリカ黒人史のご専門家で神戸大学文学部の恩師である故本田創造先生から「奴隷の着るもの」研究をお勧めいただいた。
これは1985年ころのことである。「奴隷の衣服」とおっしゃらなかったのが印象的で、今も鮮明に記憶している。師のご助言こそ、私が「奴隷の着るもの」の解明に取り組みだした直接的な動機である。
私自身は、このようにお勧めいただく前に『ルーツ』の翻訳書を読んだり、テレビドラマをビデオで観たりしていたのだが、小説やテレビドラマのなかの奴隷の被服描写に疑問をいだいていた。
濱田は博士の学位を取得するに先立ち、ポルトガルのリスボンで開催されたICOMの服飾に関する国際委員会で”Clothes for Slaves in Virginia in Revolutionary America,”というテーマで英語で研究発表を行った。発表後、意外にも会場から割れるような拍手が湧き起こった。大きな戸惑いを隠せなかった。そして、会議終了後、「貴女の研究内容をハリウッドにもって行くといいですよ」とドイツ人女性から言われたのである。彼女の言葉を聞き、なぜか胸がドキドキした。
ICOM(International Council of Museums;国際博物館会議)は、1947年に創設された国際的な非政府機関である。世界137カ国(地域を含む)から約3万人の博物館専門家が参加している。地球規模で博物館と博物館専門家を代表する団体として、UNESCOと協力関係を保ち、国連では経済社会理事会の諮問資格を有している。
ICOMには、国別に組織された114のNational Committees(国内委員会)と、博物館の様々な専門分野に即して組織された31のInternational Committees(国際委員会)がある。それぞれに年次会合などを開催し、博物館にかかわる情報の交換や知識の共有が図られている。
濱田が研究発表をしたのは、上記の31の委員会の中の服飾に関する国際委員会である。その後、ハリウッドには行っていないが、今回、報告させていただくのは、衣服の実物が残存していない奴隷の被服の実態に関する問題である。
さて、濱田はこの実態をどのようにして解明したのか。この問題に対する答えは、本講座でのお楽しみである。本講座が『ルーツ』の主人公のクンタ・キンテが着ていたものを考証する手がかりになれば幸いである。
You Tube アメリカ服飾史講座シリーズ第17回 概要
フランス革命はファッション史上にも新しい始まりを告げた。本講座では、このファッション大革命後の総裁政府時代(1795~1799)に誕生した風変わりなニューモードである “Merveilleuses”(メルヴェイユーズ)のファッションに着目し、このファッションがフランスからアメリカへどのような方法で伝播したのかという問題を通して、当時アメリカに住んでいたふたりのフランス人女性のアメリカ社会への融合、あるいはアメリカ社会における疎外という興味深い問題を考えてみようと思う。この問題を繙くに当たって、フランス革命によって、伝統的なフランス上流社会から失墜して、アメリカに移住してきたフランス人女性のジョゼフィーヌ・デュポン(Josephine du Pont)とアメリカ生まれではあるが、10 年間、フランスでの生活経験のあるフランス人女性マーガレット・マニゴー(Margaret Manigault)との間に、1789 年から 1800 年の間に交わされた 30 通の書簡を資料に用いた。
ここで扱う書簡は以下である。
Betty Bright P. Low, Of Muslins and Merveilleuses: Excerpts from the letters of Josephine Du Pon and Margaret Manigault, Winterthur Portfolio 9, 1974, The Henry Francis DuPon Wintertur Museum, pp.29-75.
参考文献 濱田雅子著『アメリカ服飾社会史』(東京堂出版、2009)第4章
概要
産業革命の原動力となる繊維産業はアメリカ合衆国のニューイングランドを中心に発達しました。フランシス・C・ローウェルは、1813年から14年にかけて、マサチューセッツ州ウォルサムに機械織機を導入し、アメリカではじめて紡績と織布を同時に行う繊維工場の操業を開始します。ボストン生まれのローウェルは、1811年、健康のため、イングランドとスコットランドに航海しました。イングランドで工場を訪問中に、そこで使用されている力織機に感動し、彼は頭の中に力織機の構想を思い浮かべて、マサチューセッツに帰国しました。当時はイギリスの法律によって、織物産業に関するいかなる情報の輸出も禁止されていたため、ローウェルは何も書き留めることができませんでした。彼はボストンに帰り、莫大な記憶と数学的な知恵を駆使して、力織機の再発明に着手し、原型の英国モデルを若干改良したものを設計したのです。ローウェルは、1813年に出資者を募って、ボストン工業会社を設立し、翌年、彼が設計した機械織機を職人のポール・ムーディーに依頼して完成させました。
ローウェルの町はボストンの北西に位置し、人口は1830年で6,474人、1840年は20,796人と10年間に3倍以上も増加していました。この町には木綿製造会社4、毛織物製造会社1、その他帽子、石鹸等の工場が存在しており、この時の木綿・毛織物製造会社の労働者は3,226人でした。また5階から7階建ての巨大な赤レンガの工場をはじめ、学校、教会、小物や婦人用の帽子を売る多くの店があり、監獄、病院、劇場以外、旧世界の都市にある建物はなんでもある町といわれていたのです。
ローウェル工場の寄宿舎は、工場の立地が人口集中地域から外れていたという必要性から設置されたのですが、同時に工場が若い娘たちを道徳的に堕落させるものではないという宣伝効果もありました
ローウェル工場における労働のあり方や服装について、お話させていただきます
参考文献 濱田雅子著『アメリカ服飾社会史』(東京堂出版、2009)第5章
You Tubeアメリカ服飾史講座シリーズ 第19回 概要 アメリカ服飾史講座シリーズとは、どのような講座なのでしょうか? 我が国では、アメリカ服飾史の研究者は、たいへん稀少です。また、数多く見られる西洋服飾史の研究においては、上流階級の服飾に関する研究が主流を占めています。それに対して、濱田はアメリカの上流階級のみならず、中産・下層階級の服飾に関する歴史的背景を踏まえた服飾史研究をアメリカ服飾社会史として、38年間に渡って構築してきました。濱田の研究対象には、ネイティブ・アメリカン、およびアフリカン・アメリカンというマイノリティの衣服、およびテキスタイルも含まれています。本講座が、今後の服飾史研究に役立てば幸いです。 本講座の視聴率上位5位のURL 第1回 イントロダクション 本講座の目的とテーマ https://www.youtube.com/watch?v=YAMWnCU7udk 第3回 ユートピア思想とパンツを穿いた女性たち(その2) ―オナイダ共同体の成立と衣服改革― https://youtu.be/luzabId5am0 第17回 アメリカへの移住者のフランス・ファッションへの憧憬 https://www.youtube.com/watch?v=AB5U4x24lII 第6回 ユートピア思想とパンツを穿いた女性たち(その5) ―『シビュラ』誌の誕生と役割― https://youtu.be/n6tSJBpBxN8 第2回 ユートピア思想とパンツを穿いた女性たち(その1) https://youtu.be/Gj8xf0KiGvE #アメリカ服飾史講座シリーズ #19世紀アメリカのドレスリフォーム運動 #パンツをはいた女性たち #アメリカンルックの誕生 #アメリカ史に見る職業着 #濱田雅子のアメリカ服飾史 #アメリカ植民地時代の服飾 #アメリカ独立革命期を舞台として 19世紀後半のアメリカでは、1862年に制定されたホームステッド法により、アメリカ東部から西部に移住する西漸運動が盛んに行われました。この法律は、西部開拓に必要な移民労働力を集めることを目的としており、国有地に5年間定住して耕作すれば、64ヘクタール(160エーカー)の土地を無償で手に入れることができました。そして、移住した家族たちは土地を得るために開拓し、農地を築いていったのです。 ローラ・インガルス・ワイルダー(Laura Ingalls Wilder, 1867-1957)が、その少女時代の記憶をたどりつつ描いた一連の9冊の著作の第2冊目が『大草原の小さな家』(原題:Little House on the Prairie)です。近年(1974-1982年)、アメリカのNBCが、この9冊の連作の内容をもとにして脚色を加えてテレビドラマを制作したが、これが『大草原の小さな家』というタイトルでNHKで放送されてわが国でも人気を呼びました。いくつかの翻訳書も刊行されています(たとえば恩地三保子氏、福音館書店ほか)。 さて、原著の第2冊目『大草原の小さな家』で描かれているのは、ローラの6歳から7歳までの1年間の生活です。自然豊かな土地での暮らしを理想とする父さんは、広々とした大草原が広がるインディアン居住地への移住を決心します。一家はそれまで住んでいたウィスコンシン州の大きな森から幌馬車で旅立ちます(ちなみに連作の第1冊は『大きな森の小さな家』)。 『大草原の小さな家』から当時の衣生活が浮き彫りになることを期待して本書を読んだのですが、残念ながらローラの関心は、父さんの偉大な仕事ぶりであったようです。丸太小屋作りや丸太小屋の鍵作りの描写は目を見張るほどリアルであるにもかかわらず、母さんの出番は非常に少ない………。 そこで、本講演では、下記の文献①②③に基づき、同時期のカンザスへの移民女性の衣生活を紹介したいと思います。 開拓時代、多くの移住者がカンザスの地を目指しました。その意味で、『大草原の小さな家』に描かれることのなかったローラの母さんの仕事ぶりをたどることが可能だと思われるからです。 その内容については、本講演のお楽しみです。
You Tubeアメリカ服飾史講座 第20回 概要 アメリカ服飾史講座シリーズとは、どのような講座なのでしょうか? 我が国では、アメリカ服飾史の研究者は、たいへん稀少です。また、数多く見られる西洋服飾史の研究においては、上流階級の服飾に関する研究が主流を占めています。それに対して、濱田はアメリカの上流階級のみならず、中産・下層階級の服飾に関する歴史的背景を踏まえた服飾史研究をアメリカ服飾社会史として、38年間に渡って構築してきました。濱田の研究対象には、ネイティブ・アメリカン、およびアフリカン・アメリカンというマイノリティの衣服、およびテキスタイルも含まれています。本講座が、今後の服飾史研究に役立てば幸いです。 本講座の視聴率上位5位のURL 第1回 イントロダクション 本講座の目的とテーマ https://www.youtube.com/watch?v=YAMWnCU7udk 第3回 ユートピア思想とパンツを穿いた女性たち(その2) ―オナイダ共同体の成立と衣服改革― https://youtu.be/luzabId5am0 第17回 アメリカへの移住者のフランス・ファッションへの憧憬 https://www.youtube.com/watch?v=AB5U4x24lII 第6回 ユートピア思想とパンツを穿いた女性たち(その5) ―『シビュラ』誌の誕生と役割― https://youtu.be/n6tSJBpBxN8 第2回 ユートピア思想とパンツを穿いた女性たち(その1) https://youtu.be/Gj8xf0KiGvE #アメリカ服飾史講座シリーズ #19世紀アメリカのドレスリフォーム運動 #パンツをはいた女性たち #アメリカンルックの誕生 #アメリカ史に見る職業着 #濱田雅子のアメリカ服飾史 #アメリカ植民地時代の服飾 #アメリカ独立革命期を舞台として 現在、私たちを取り巻いている国際情勢を考えますと、アメリカという多民族国家の成り立ちを知らなければならないのではないでしょうか。本講演が、アメリカの歴史を知る一助となれば幸いです。 さて、我が国では、先住アメリカ人に関する歴史研究は多数見られるのですが、服飾研究は皆無です。 プエブロ族はアリゾナ州とニュー・メキシコ州に住んでいます。本講座では、リオグランデ川流域に住むプエブロ族をニューメキシコ・プエブロ族と呼び、アリゾナに住むプエブロ族をアリゾナ・プエブロ族=ホピ族と呼んでいます。 2006年6月27日、ホピ族のメサの居留地において、織物の調査を実施しました。調査地はアリゾナ州ホテヴィラ(Hotevilla)です。ホピ族の長老であるマーティン・ガスウィスーマ(Martin Gashweseoma)氏が研究目的であることを了解の上、インタヴューに応じてくれ、男女の儀式用のベルトおよびキルト(巻きスカート)の調査の機会を得ることができました。マーティン氏は当時、83歳、2015年に他界されています。マーティン氏の国連での演説『ホピの予言』は7か国語に翻訳されています。プエブロ族の居留地での撮影は禁じられていますが、マーティン・ガスウィスーマ(Martin Gashweseoma)氏は特別に撮影を許可して下さいました。
You Tubeアメリカ服飾史講座 第21回 概要 アメリカ服飾史講座シリーズとは、どのような講座なのでしょうか? 我が国では、アメリカ服飾史の研究者は、たいへん稀少です。また、数多く見られる西洋服飾史の研究においては、上流階級の服飾に関する研究が主流を占めています。それに対して、濱田はアメリカの上流階級のみならず、中産・下層階級の服飾に関する歴史的背景を踏まえた服飾史研究をアメリカ服飾社会史として、38年間に渡って構築してきました。濱田の研究対象には、ネイティブ・アメリカン、およびアフリカン・アメリカンというマイノリティの衣服、およびテキスタイルも含まれています。本講座が、今後の服飾史研究に役立てば幸いです。 本講座の視聴率上位5位のURL 第1回 イントロダクション 本講座の目的とテーマ https://www.youtube.com/watch?v=YAMWnCU7udk 第3回 ユートピア思想とパンツを穿いた女性たち(その2) ―オナイダ共同体の成立と衣服改革― https://youtu.be/luzabId5am0 第17回 アメリカへの移住者のフランス・ファッションへの憧憬 https://www.youtube.com/watch?v=AB5U4x24lII 第6回 ユートピア思想とパンツを穿いた女性たち(その5) ―『シビュラ』誌の誕生と役割― https://youtu.be/n6tSJBpBxN8 第2回 ユートピア思想とパンツを穿いた女性たち(その1) https://youtu.be/Gj8xf0KiGvE #アメリカ服飾史講座シリーズ #19世紀アメリカのドレスリフォーム運動 #パンツをはいた女性たち #アメリカンルックの誕生 #アメリカ史に見る職業着 #濱田雅子のアメリカ服飾史 #アメリカ植民地時代の服飾 #アメリカ独立革命期を舞台として ナバホ族は合衆国内の先住アメリカ人としては最大の居留地と居留地在住の先住アメリカ人人口をもつグループで、人口は約30万人です。アリゾナ州東北部、ニューメキシコ州西北部、ユタ州南東部にまたがる居留地に居住しています。アサバスカ語系に属し,この語族の一部がおそらく700年位前に故地カナダ北西部地方から南下して、現住地に定着したものと推定されています。先住のプエブロ族やホピ族から農業を、スペイン人から羊・山羊の牧畜を学んでナバホ族となり、他の一部はアパッチ族となりました。基本となる社会単位は核家族で、約60の母系拡大家族を基礎として、独自の文化と生活を築きました。 本講座の全体構成は下記のとおりです。フィールドワークからの報告をお楽しみ下さい。おそらく他できくことができない興味深々としたレポートです。 Ⅰ 参考文献とフィールドワークによる研究方法 Ⅱ 歴史的背景 Ⅲ ナバホ織物の伝承 Ⅳ ナバホ織の講習会からの報告 Ⅴ ナバホの居留地訪問 Ⅵ チュロ・シープ飼育場の見学 Ⅶ ナバホ族の織物の変化・発展 Ⅷ まとめ
You Tubeアメリカ服飾史講座 第22回 概要 アメリカ服飾史講座シリーズとは、どのような講座なのでしょうか? 我が国では、アメリカ服飾史の研究者は、たいへん稀少です。また、数多く見られる西洋服飾史の研究においては、上流階級の服飾に関する研究が主流を占めています。それに対して、濱田はアメリカの上流階級のみならず、中産・下層階級の服飾に関する歴史的背景を踏まえた服飾史研究をアメリカ服飾社会史として、38年間に渡って構築してきました。濱田の研究対象には、ネイティブ・アメリカン、およびアフリカン・アメリカンというマイノリティの衣服、およびテキスタイルも含まれています。本講座が、今後の服飾史研究に役立てば幸いです。 本講座の視聴率上位5位のURL 第1回 イントロダクション 本講座の目的とテーマ https://www.youtube.com/watch?v=YAMWnCU7udk 第3回 ユートピア思想とパンツを穿いた女性たち(その2) ―オナイダ共同体の成立と衣服改革― https://youtu.be/luzabId5am0 第17回 アメリカへの移住者のフランス・ファッションへの憧憬 https://www.youtube.com/watch?v=AB5U4x24lII 第6回 ユートピア思想とパンツを穿いた女性たち(その5) ―『シビュラ』誌の誕生と役割― https://youtu.be/n6tSJBpBxN8 第2回 ユートピア思想とパンツを穿いた女性たち(その1) https://youtu.be/Gj8xf0KiGvE #アメリカ服飾史講座シリーズ #19世紀アメリカのドレスリフォーム運動 #パンツをはいた女性たち #アメリカンルックの誕生 #アメリカ史に見る職業着 #濱田雅子のアメリカ服飾史 #アメリカ植民地時代の服飾 #アメリカ独立革命期を舞台として ★ティナ・リーサは、1950年代に芸術家として育ったアメリカのファッション・デザイナーである。世界中を旅行しており、フェアトレード、持続可能性、デザインと生産におけるグローバルな展望を優先した。 ★皆さんは、ティナ・リーサをご存じでしょうか?おそらく、ご存じない方が多いのではないでしょうか?アメリカでも知られていないという。 ★本チャンネルでは、ティナ・リーサのファッション・デザイナーとしてのハワイ、ニューヨーク、インド他を舞台とした活躍ぶりをアメリカの服飾研究者の近年の研究に基づいて、紹介させていただき、こんな凄い活躍をしたファッション・デザイナーが、なぜ、知られていないのだろう? その真実に迫りたい。 なお、本チャンネルに掲載させていただいた写真は、典拠を明記したことをおことわりしておきます。 参考文献 濱田雅子著『20世紀アメリカの女性デザイナーの知られざる真実ーアメリカ服飾社会史 続編―』(株式会社パブファン R&D POD出版、2021)
第23回 YouTubeアメリカ服飾史講座シリーズ 写真が語るアメリカの庶民服 イントロダクション 概要 アメリカ服飾史講座シリーズとは、どのような講座なのでしょうか? 我が国では、アメリカ服飾史の研究者は、たいへん稀少です。また、数多く見られる西洋服飾史の研究においては、上流階級の服飾に関する研究が主流を占めています。それに対して、濱田はアメリカの上流階級のみならず、中産・下層階級の服飾に関する歴史的背景を踏まえた服飾史研究をアメリカ服飾社会史として、38年間に渡って構築してきました。濱田の研究対象には、ネイティブ・アメリカン、およびアフリカン・アメリカンというマイノリティの衣服、およびテキスタイルも含まれています。本講座が、今後の服飾史研究に役立てば幸いです。 アメリカ服飾史講座シリーズ第24回から「写真が語る近代アメリカの民衆の装い」のシリーズを6回に渡ってアップロードいたします。シリーズの中のシリーズです。お楽しみ下さい。 本講座の視聴率上位5位のURL 第1回 イントロダクション 本講座の目的とテーマ https://www.youtube.com/watch?v=YAMWnCU7udk 第3回 ユートピア思想とパンツを穿いた女性たち(その2)―オナイダ共同体の成立と衣服改革― https://youtu.be/luzabId5am0 第17回 アメリカへの移住者のフランス・ファッションへの憧憬 https://www.youtube.com/watch?v=AB5U4x24lII 第6回 ユートピア思想とパンツを穿いた女性たち(その5)―『シビュラ』誌の誕生と役割― https://youtu.be/n6tSJBpBxN8 第2回 ユートピア思想とパンツを穿いた女性たち(その1) https://youtu.be/Gj8xf0KiGvE #アメリカ服飾史講座シリーズ #19世紀アメリカのドレスリフォーム運動 #パンツをはいた女性たち #アメリカンルックの誕生 #アメリカ史に見る職業着 #濱田雅子のアメリカ服飾史 #アメリカ植民地時代の服飾 #アメリカ独立革命期を舞台として #写真が語る近代アメリカの民衆の装い Joan Severa, Dressed for the Photographer, Ordinary Americans and Fashion (1840-1900), Kent State University, Ohio, Kent, 1995. p.592. 本書はJ・セヴラ女史(Joan Severa,1925-2015)が30年と言う歳月をかけて取り組まれた大作で、アメリカの服飾研究者から高く評価されています。彼女はウィスコンシン・ミュージアム歴史協会の学芸員を30年にわたって歴任する傍ら、アメリカ服飾学会の理事や多くの博物館のコンサルタントとして活躍してこられました。 本書は、ミドルクラスや下層階級のアメリカ人たちが、ダゲレオタイプの銀板写真技術が導入された1840年から1900年の60年間に、記念写真や日常生活の写真に、どのような装いでおさめられたのか、かれらのバックグランドや服装のディテールの分析も含めて、マテリアル・カルチャー(物質文化)の視点から書かれた大作です。掲載された写真は何と277枚。服飾の専門家の視点で写真のなかの服装が的確に分析されています。ヨーロッパやアメリカの上流階級の装いを扱った書物は、沢山、ありますが、アメリカの庶民、すなわち、アメリカの民衆の装いを扱った書物は、J・セヴラ女史の上記の著作以外には、一冊もありません。 本講座では本書において、10年単位で扱われている60年間(1840年~1900年)のアメリカの民衆の装いの紹介・分析を試みたいと思います。分析の視点は、アメリカ人がいかにヨーロッピアン・フレンチ・ファッションに憧れていたか、ヨーロッピアン・フレンチ・ファッションとアメリカンファッションの類似点と違いは何であるか、という点に据えられます。19世紀アメリカの民衆の生活文化を、装いを通して、ビジュアルに学ぶ、またとない機会です。知らないことを知る「知の楽しみを」エンジョイなさって下さい。 全体構成 1.ジョーン・セヴラ女史の写真資料を用いた研究方法 2.写真技術史の概要 3.19世紀ヨーロッパの服飾 イントロダクションは、写真が語る近代アメリカの民衆の装いシリーズ(1840年代、1850年代、1860年代、1870年代、1880年代、1890年代の6チャンネルのシリーズ)の入門編です。全体構成に見る内容を学習されてから、年代を追って、各シリーズをご視聴なさって下さい。イントロダクションの基礎知識がないと、各シリーズの内容が理解しにくいかと存じます。 チャプター 00:00 写真が語るアメリカの民衆の装いシリーズ イントロダクション 01:53 1. Joan Severa女史の写真資料を用いた研究方法 09:19 2. 写真技術史の概要 31:17 3. 19世紀ヨーロッパの服飾
第24回 YouTubeアメリカ服飾史講座シリーズ 写真が語る近代アメリカの民衆の装い 1840年代 概要 アメリカ服飾史講座シリーズとは、どのような講座なのでしょうか? 我が国では、アメリカ服飾史の研究者は、たいへん稀少です。また、数多く見られる西洋服飾史の研究においては、上流階級の服飾に関する研究が主流を占めています。それに対して、濱田はアメリカの上流階級のみならず、中産・下層階級の服飾に関する歴史的背景を踏まえた服飾史研究をアメリカ服飾社会史として、38年間に渡って構築してきました。濱田の研究対象には、ネイティブ・アメリカン、およびアフリカン・アメリカンというマイノリティの衣服、およびテキスタイルも含まれています。本講座が、今後の服飾史研究に役立てば幸いです。 アメリカ服飾史講座シリーズ第24回から「写真が語る近代アメリカの民衆の装い」のシリーズを6回に渡ってアップロードいたします。シリーズの中のシリーズです。お楽しみ下さい。 本講座の視聴率上位5位のURL 第1回 イントロダクション 本講座の目的とテーマ https://www.youtube.com/watch?v=YAMWnCU7udk 第3回 ユートピア思想とパンツを穿いた女性たち(その2)―オナイダ共同体の成立と衣服改革― https://youtu.be/luzabId5am0 第17回 アメリカへの移住者のフランス・ファッションへの憧憬 https://www.youtube.com/watch?v=AB5U4x24lII 第6回 ユートピア思想とパンツを穿いた女性たち(その5)―『シビュラ』誌の誕生と役割― https://youtu.be/n6tSJBpBxN8 第2回 ユートピア思想とパンツを穿いた女性たち(その1) https://youtu.be/Gj8xf0KiGvE #アメリカ服飾史講座シリーズ #19世紀アメリカのドレスリフォーム運動 #パンツをはいた女性たち #アメリカンルックの誕生 #アメリカ史に見る職業着 #濱田雅子のアメリカ服飾史 #アメリカ植民地時代の服飾 #アメリカ独立革命期を舞台として #写真が語る近代アメリカの民衆の装い Joan Severa, Dressed for the Photographer, Ordinary Americans and Fashion (1840-1900), Kent State University, Ohio, Kent, 1995. p.592. 本書はJ・セヴラ女史(Joan Severa,1925-2015)が30年と言う歳月をかけて取り組まれた大作で、アメリカの服飾研究者から高く評価されています。彼女はウィスコンシン・ミュージアム歴史協会の学芸員を30年にわたって歴任する傍ら、アメリカ服飾学会の理事や多くの博物館のコンサルタントとして活躍してこられました。 本書は、ミドルクラスや下層階級のアメリカ人たちが、ダゲレオタイプの銀板写真技術が導入された1840年から1900年の60年間に、記念写真や日常生活の写真に、どのような装いでおさめられたのか、かれらのバックグランドや服装のディテールの分析も含めて、マテリアル・カルチャー(物質文化)の視点から書かれた大作です。掲載された写真は何と277枚。服飾の専門家の視点で写真のなかの服装が的確に分析されています。ヨーロッパやアメリカの上流階級の装いを扱った書物は、沢山、ありますが、アメリカの庶民、すなわち、アメリカの民衆の装いを扱った書物は、J・セヴラ女史の上記の著作以外には、一冊もありません。 本講座では本書において、10年単位で扱われている60年間(1840年~1900年)のアメリカの民衆の装いの紹介・分析を試みたいと思います。分析の視点は、アメリカ人がいかにヨーロッピアン・フレンチ・ファッションに憧れていたか、ヨーロッピアン・フレンチ・ファッションとアメリカンファッションの類似点と違いは何であるか、という点に据えられます。19世紀アメリカの民衆の生活文化を、装いを通して、ビジュアルに学ぶ、またとない機会です。知らないことを知る「知の楽しみを」エンジョイなさって下さい。 全体構成 01:31 1.1840年代アメリカの歴史的背景 06:19 2. 1840年代アメリカの写真が語る民衆の装い 57:14 3. まとめ
アメリカの服飾に限らず、多民族の服飾文化(ヨーロッパ諸国、アジア諸国の服飾文化)に関する研究発表や講演、書評会、西洋服飾史・民族衣装セミナー、ワークショップ(デザイン画、手芸、コスチューム・ジュエリー制作など)を行って参りましたが、2020年より、新型コロナウィルス感染症の蔓延により、上記の様な集いが持てなくなっています。そのため、会報発行、および、オンライン講座による持続可能な活動を行っています。下記より、お気軽にお問合せ下さい。ただし、研究会の趣旨に沿わないお問合せには、対応できかねます。